ゴム動力 プラ子の日記  〜 第93回め 〜  

 

平成17年6月16日(木曜日)

昔から1人でいるときは、いろんな想像を膨らませては笑っちゃう、そういう変なクセのおかげで新幹線でも退屈しません。先日も眠く無かったので、こんな想像で時間をつぶしていました。

主人公はAさん。都内に住むサラリーマン。昔よくプラモを作ったけれど、それは子どもの頃の話。今はすっかり忘れてる。出張多し。息子が1人。最近遊んでやっていない。とくに誰かを思い浮かべたキャラではなく、ほんとに普通の人、Aさんだ。

名古屋から新幹線に乗っていたAさんは、静岡から乗り込む乗客が手に手に持っているその包みが気になって仕方がない。レトロ風駅弁のような四角い箱。ヒモが掛かっていて、包み紙には昔慣れ親しんだ静岡の模型メーカー各社のロゴが楽しげにレイアウトされ「静岡名物」と書いてある。

ん?あれば弁当か? でも、だれも食べていない・・・。なんなんだ。まさかプラモか?

次の静岡出張の際、当然Aさんは駅でその包みを探す。

しかし「本日は売り切れました」の表示に愕然。


その次の静岡出張の際、あと2つというところでついにゲット。新幹線に乗ると待ちきれないAさんはさりげなくトイレに。はやる気持ちで包み紙をべりべり。箱を開けると中身はプラモデルのキット、おぉ、タイガー1だ。ボク的には当たりだな。懐かしいなぁ。2個買って良かった。もう一個は息子に開けさせてやろう。

家に帰ると、思わぬお土産に息子大喜び。早速二人で製作タイム。息子の開けた方はシャーマンだった。そっちには、小さなボトルが入っていた。開けてみると静岡名物ミカンの香り?いや、これは、りもちゃんの試供品だ。 へぇ〜これが、最近の接着剤かぁ。

お父さん、組むの上手だね!」と言われ鼻高々のAさん。

なになに、ニッパーが欲しい?爪切りじゃだめか?よ〜しよし買ってやる。  


「いい加減に寝なさい!明日も学校でしょ!」と妻が言った。息子に言っているようだが、実はオレに言っているのだ。いい加減に息子を寝させなさいと。たまには夜更かしさせたっていいじゃないか。せっかく息子と、久しぶりによい時間が持てたのに、じゃまをするな、うるさいぞ。・・・でも言えない。



次の出張の日、息子が言った。

「お父さん、今日も静岡?」

「いや、大阪だよ」

な〜んだ、また静岡でプラ弁買ってきて欲しいなぁ



先日の息子と二人のプラモ製作がとても楽しかったAさん、大阪からの新幹線の車内で息子の言葉を思い出しながら、よ〜しよし買ってやる、と1人頷く。そして静岡の停車中に大急ぎでキヨスクに走った。

「プラ弁下さい!」 「どれにします?」 「え〜〜〜!今日は選べるのか、ど、どれにしよう・・・・・」

後ろで発車のベルが鳴り、新幹線のドアが・・・あぁ、ドアが・・・ あぁ、どれにしよう・・・ あぁ、ドアがぁ〜〜〜〜!

プシュゥ〜



人気のなくなったホームにたたずむAさん。手にはプラ弁。

次のこだまに乗り、結局選びきれず4個買ってしまったプラ弁を膝に抱え座った。息子と二つずつだ。何が入ってるかな・・・ふっふっふ。

1つ隣の席のBさんはその包みが気になって仕方がない。ん?あれば弁当か? でも、食べていない・・・。なんなんだ。まさかプラモか?

そんな3人席の真ん中に、同じく静岡から乗り込んだのは長髪のCさん。男性だ。発車と同時にポケットの中からアイシャドーを出した。両側の二人は一瞬ひるむ。もしかして、オカマ?

気になるが、見ないようなフリをする二人の真ん中で鼻歌交じりのCさん、化粧をするのかと思いきや、鞄から完成品の戦車模型を取り出すと、アイシャドーのようなものを使ってなんとウエザリングを始めた。みるみる仕上がるその手際の良さ。もう見て見ぬふりなどできようはずもなく・・・。よく見ればアイシャドーには星のマーク。

これ、新製品なんですよ」 Cさんが塗りながら言った。ほほぉ〜、と両側の二人は同じような返事をした。



家に帰ったAさん、ドアの開く音で寝ていた息子が飛び起きてきた。こんなことは今まで無かった。

二人でウキウキ包みを開ける。すると、飛行機が1箱、零戦では無かった。そして戦車模型が2箱に、フィギアのセットが1箱。戦車模型の片方の箱には「アーマー最新号引換券」がおまけにはいっていた。模型雑誌を買ったことがなかったAさん、実はまだこの時点でアーマーがどんな本なのかわかってない。翌日の昼休みに書店に飛んでいき、アーマーをゲット。するとDVDも付いていた。おぉ、これはボク的にはまた当たりだな。プラ弁より高い雑誌をゲットできたんだ。明らかに当たりだ。

そのときはまだ盛りだくさんのその本の内容も想像すらしていなかった。

その夜、息子と二人でDVDを観ながら、その講師の顔と髪型が気になって仕方がない。見たことあるな〜〜。 見たことあるなぁ、見たことあるぞ・・・あっっ、新幹線でおかまかと一瞬勘違いした、あの真ん中の席の髪の長い人! ヨンパチ先生だったのか! どおりで手際がいいわけだ・・・。



「お父さんはヨンパチ先生に会ったことあるんだぞ、えっへん」

「え!お父さんすごい!」

ますますご機嫌のAさん。 次の出張が楽しみだな。鞄には読みかけの模型雑誌を必ず入れていこう。

後ろで妻がボソッと言った。

「たまにはお菓子でも買ってきてよね。・・・前みたいに。」

あ・・・・。」


おしまい。


                      (このお話はフィクションです。プラ弁は売ってません。「アイシャドー」はもうすぐ発売)

◆ ◆ ◆ ◆ ◆



こんな事を考えてくすくす笑っているとすぐに東京から静岡についちゃうんだ。(笑) 

実際に出来ることは限られているけど、想像するだけなら、どうにでもなって面白いよね。やめられませ〜ん。

さて、上にも少し登場しましたが、アーマーの最新号についていたDVD。今日はキャタピラの途中で中断となりましたが、登場人物が知ってる方ばかりだし、しばらく楽しめそうです。相当長いらしいですからね。それでもかなり縮めたんだとスコットさんが泣いてましたっけ。(笑) 

以前、我が2号(次男)の接着剤未使用事件(?)の話を書きましたけど、あれから彼は機嫌良く製作を進めていたのですが、キャタピラで何度も失敗して、ついに箱を開けなくなってしまいましてね〜。そんな2号の疑問が全てクリアになる、爽快で明快なアーマー学園のヨンパチ先生のご指導に私はひたすら感心し、直後に映った思わぬゲストに大爆笑していたら社長が何事かと、こっちを見ました。ぎくっ!明日の昼休みに堂々と見ようっと。NG集もあるそうですよ。楽しみ〜♪

 フリマの広告も見開きで登場してます。\(^_^)/ばんざーい!





さて、もうすぐ100回目です。もしかして、なにか期待しちゃってますか?

昨日、事務所の近くをブラブラ歩いて駅に向かっていると、向こうから男性が歩いて来たんです。人通りがまばらなこともあり、なんとなく目がいってしまったその方のお顔、遠目に見てもなんか見たことあるな〜〜。 見たことあるなぁ、見たことあるぞ・・・とだんだんお互いの距離がつまり、ついにビンゴ。 

「あれま、どうしたんですか?こんなところで!」

私のスットンキョウな声に、みつかっちゃったな〜・・・っと苦笑いしたウォーキング中のそのお方に、「日記の100話目になにかご投稿くださ〜い」とお願いをしてみました。・・・ご多忙な方ですからどうなるか分かりませんが

・・・な〜んてことを書いてるのを見つかったら「じゃ、いいか」となりそうで困るのですけど〜(笑) ま、88回目的に「お取り置き」もできますからね。ふっふっふ。

今頃、「なにか、っていわれてもな〜」とお悩みかもしれません。すみませ〜ん。 もし実現すればプラモ星人の平均年齢が上がります!?

100回目の日記を、どうぞお楽しみに♪ ←こんなこと書いちゃって大丈夫なんだろうか、ワタシ。

ではまた〜。

 

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