ゴム動力 プラ子の日記 〜 第9回め〜
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平成16年
11月5日(金) 晴天です。でも帰りに用事があるので今日は車。 欲しいもの →「なんとしてでも買ってやるっ!」の巻 話の順序がごちゃごちゃで申し訳ありません。 中学生の頃、どうしても欲しいものがあったとき、どうしてましたか? 私はオーブンが欲しかったんです。でも、お小遣いではとても足りません。魔法のようにぷっくり膨らむ、あのシュークリームを作ってみたくて、オーブンもないのにお菓子の本を読み漁り、成功例失敗例いろいろな知識(だけ)を身につけて、やがて来るべき日に備えていました。 が、いつまでたっても私の家にオーブンはやってきませんでした。 ところが、ある日、近所の商店街の金物屋さんで、見つけてしまったんです。私のお小遣いでも買えるかもしれない錆びかけたオーブンを。そのオーブンは、コンロの上に置いて使う上置きタイプで、電気を使わず、ガスの工事もいらない手軽なもの。その代わり安い。温度調節は難しいんですけど、私はすっかり買う気になり、桁が違ってないかと何度も店の人に値段の確認して、ホクホクの笑顔でいつものように自転車を立ち漕ぎして鼻歌交じりに商店街を走り家まで帰りました。(私は「いつ見ても自転車を立って漕いでる」とよく友人に言われてましたっけ。) さて、お小遣いが足りません。でも、待てません。だって錆びるほど古いオーブン、誰かが買っちゃったら、もう二度とあの値段で店頭に並ばないかもしれない・・・このチャンスを逃したらと、不安でたまらず、以後、毎日のように、売れてないか確認しに自転車で偵察に。(錆びるほど、長い間だれも買わないから結局あの値段なのですけどね〜。) 月が変わって、待ちに待ったお小遣いの日。でも、貯金箱の小銭まで合わせても、あと2000円ほど足りませんでした。あぁ、来月まで待つなんて・・。ぜったいにいやだ。・・・では、その2000円をどうやって早急に稼ぎ出すか・・・。無い知恵を絞った挙げ句、出した答えは「行商」でした。 ニオイ付き折り紙、ニオイ付き消しゴム、ニオイ付き鉛筆、定規、人形、レターセット、手作りしおり・・・レゴの取り合い必至パーツまで。自分が今までため込んでいた宝物からガラクタ、お菓子、いろんな『商品』一つ一つに値札を付けました。そして、図画で使うガバンに並べ、お弁当屋さんみたいに首からかけて、張り切って売りに出たんです。・・・我が家のリビングルームへ。 「文房具に小物ぉ、レゴは〜いかがですか〜。ぺろってぃーチョコレートもありますよぉ。」 部屋でテレビをみていた家族は唖然。それでもいつもケンカばかりの弟が、照れながら消しゴムを買ってくれました。 翌日早速、自転車立ち漕ぎで、その大事な(錆びかけ)オーブンを買いに行きました。お店のおじさんがニコニコ笑って それからは、もうお菓子作りまくり。シュークリームもケーキも、クッキーも、食べ放題です。今から思えば、このときから現在の自分の体型への階段建設工事が始まっていたのです。 それにしてもケーキが焼けるときのあの香り、ほんと、たまりません。あぁ、なんて美味しそうなんでしょう。でも、それだけじゃなくて、なんというかこう、懐かしさがこみ上げて来るんです。それは決して他の方々のように「母の作ってくれたあの・・・」という清らかな思い出とは縁遠い、自転車の荷台に錆びたオーブンをくくりつけたときの、前途洋々の少女時代の自分への懐かしさかもしれません。 欲しいものがあったら・・・持ってるモノを売って、買うっていう手も・・・あるよ。 モデラーズフリマ、出展者募集中! (ニッコリ) (← うっ!あからさまな営業スマイルだ!) おまけ。 夜中にメールが入りました。アメリカの友人N氏からでした。娘さんのクリスマスプレゼントに、ブリオの機織り機をネットで注文しちゃった!って。(笑) うらやましいけど、ここまできたら私は偶然出会う時を待ちますよ。果たして運命の時は・・・ほんとに来るのだろうか?これがまた楽しみで。 |
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