ゴム動力 プラ子の日記  〜 第8回め〜  

 ★後日談はこちらから

平成16年

11月4日(木) 晴天です。歩いてきました。 

欲しいもの → 「作ってやるぅ!」の巻。

子供の頃、どうしても欲しいものがあったとき、どうしてましたか?

私は小学生のころ、BRIO社の木製の機織り機が欲しかったんです。輸入おもちゃ屋さんの棚の一番高いところにそれは鎮座していました。
手に取ることすらできません。

何度サンタさんにお願いしても届かない。泣いてもわめいても買ってもらえない。・・・・・まさに失意のどん底でした。(←こども心にはね。)

(挑戦的なサンタさんめ、しまいに「糸だけ」くれたよ・・・) 

で、ある日、決心しました。自分で作ろうと。 ところが、まず、たて糸が一本ずつ互い違いに上下する、あれが再現できません。どぉ〜〜してもいい考えが浮かびません。悔しくてたまらなかったけど、私はおもちゃ屋さんに行き、高いところにある、あの憧れの機織り機を観察することにしました。なにかヒントがあるに違いない。

(じぃーーーーーーー)

すると、叫びたくなるようなパーツを発見したのです。イラストの「拡大図」を見て下さい。(というほどのイラストではありませんが・・・) たて糸が互い違いに上下する、そのポイントはこのパーツにあったのです。このパーツさえあれば!あぁ、この仕組みがわかれば、もう、他はどうにでもなる! 急いで家に帰るとさっそく、お菓子の箱の厚紙を使ってそのパーツを作りました。もうワクワクが止まりません。

次に、たて糸を巻き取って固定するにはどうしましょう。どうにでもなるはずだったのに、意外によい代替品が浮かびません。(今なら浮かびますけどね) たて糸はピンッと張ってないと、せっかく作ったパーツの実力も発揮できません。部屋を見回して、そして閃いたのが・・・このイラストの状態です。 母は笑い転げていましたけどね。本人は大まじめ。


(タンスと棚は作り付けです。あまり関係ありませんが)

ついに出来上がった(っていうのか?)タンス人間一体型機織り機で、日が暮れるまで夢中でハタを織りました。お菓子の箱で作ったパーツは、ボロボロになっていました。しかも出来上がったものは、なんともいえないベルトみたいな変なモノ。でも、たて糸を上下させ、間に横糸を滑らし、
「とんとん」、って。。。「こ〜れ〜が〜や〜り〜た〜かっっっったんだぁよぉ〜〜」 あぁ、もぉ最高!私って天才!?

・・・あの満足感、達成感、・・・ほんとに懐かしい・・・。(遠い目)。 

◆ ◆ ◆


大人になって息子たちのおもちゃを探しに輸入ものを扱う店を覗くと、棚の高いところに、なんとその機織り機が並んでいました。(一体型じゃないよ、本家本元BRIOのやつね) 
え!?まだあるの?あぁ懐かしい!子供の頃の気持ちにタイムスリップしてしまいました。海外のおもちゃは息の長いモノが多いですよね。

値段は1万円しないぐらい。あの当時、どうしても手の届かなかったものが、今なら買える・・・実は今でも欲しいんです。でも、恋い焦がれたモノにやっと触れそうになると、指が震えてどうしても触れない、そんな感じかな。結局まだ買えずにいます。

もし、どこかのフリーマーケットでそれを見つけたら・・・「あぁ、運命だ!」とばかり、買いますけどね。(・・・さりげなく営業♪)

ちなみに、一昨日大手の手芸店に行きましたら、あの「パーツ」部分だけ、売っていました。1500円ぐらい。プラスチック&木製ですから、これならボロボロになりません。一体型はたおり機がバージョンアップして再現できちゃいますなぁ。でも、今の私の知恵があれば、一体型自体、あり得ないな。ふっ。

なんだか売り場でニヤニヤしてしまったプラ子でありました。

次回予告

欲しいモノ ・・・「なんとしてでも買ってやるっ!」高校生になったプラ子の、ど根性物語(?)、こうご期待!

 

★後日談 

数年前、鉄道イベントを開催するとなり、一番に思い浮かんだのが、このBRIOさん。良質な木製の鉄道のおもちゃでも有名なBRIO製品を、広くちびっこたちに紹介したかったので、早速、御願いしてみたわけです。快諾頂いて、以後、鉄道イベントの度におつきあい下さって、大人気のコーナーです。初めてのBRIOジャパンさんでの打合せの際、もちろん、機織り機のことを聞いてみました。しかし、もう廃盤とのこと。まさか、まさかの廃盤。膝から崩れ落ちたプラ子さんでありました。ちゃんちゃん。 でも、まだあきらめてないのですよ。ふぁふぁふぁふぁふぁ。というわけで、2月11日まで、静岡ホビースクエアにて、「BRIO展」開催中です。それにしてもなぁ〜 あの憧れのBRIOの関係者とお酒を飲める日がくるとはね〜 小さいプラ子さんに教えてあげたいね。(2013/12/17追記)

  プラ子の日記の表紙に戻る   Home