ゴム動力 プラ子の日記  〜 第57回め〜  

 

     平成17年

     2月15日 (火曜日) 

今夜のプロジェクトXはTDKのカセットテープの物語だった。案の定また感動した。

私は小さい頃から音楽好きで(ピアノのレッスンは嫌いだったけどさ)、音楽が聞こえると勝手に体がリズムをとってしまうラテン系だ。最初に買ったレコードは、音楽シリーズ本についているクラシックのソノシート(だったっけ?)。その後、黒猫のタンゴ、中学の頃は意外に渋く、小椋 圭さん、中村雅俊さん、アリスなどをよく聞いた。

LPなんて贅沢品だったのにイーグルスのホテルカリフォルニアと、キッスのアライブ2を、ちょっと背伸びしてお年玉で買ったりもした。しばらくは男子にモテモテだった。もちろん私が、ではなく、LPが。それからなぜか、愛のメモリーも持っていた。ラジオでエリック・カルメンを聴いてはまったのは、もっと後かな?とにかく小遣いが足りないので、レコードは滅多に買えない。もっぱら友人から借りて録音する、これを繰り返すばかりだった。

当時のやり方はこうだ。

あらかじめ指である程度巻いておいたカセットテープを(そうか、これがTDKだったのか!?)カセットレコーダーにセットし、緊張しながらそっとレコードに針を落とし、テープレコーダの固く四角いスイッチをなるべく静かに押し込む。

・・・後はひたすら黙る

たいてい途中で・・・「ねぇねぇ、おねえちゃ〜ん」などと、じゃまが入り、バシッという音でテープは終わるんだけどね。


友人に借りるテープも似たようなもので、イヌの鳴き声とか、玄関のピンポン、道を走るカブの音とか、もう避けられないものだった。カセットレコーダのマイクの部分に、布を当てたり、ティッシュを当てたり、スポンジを当てたりビニールを当てたりして、曲間の「さーーーーーー」という雑音を遮断する実験を根気強く行ったりもした。

ところが。

ある日、友人の家にいくと、ステレオなるものに遭遇したのだ。大きな黒い箱がスピーカー。右と左で音が違うらしい。しかも!そばでしゃべっていても、音楽だけがテープに録音されるのだ。今まで涙ぐましいほどの小細工でごまかしていたテープ切れ直前の「フェードアウトもどき」が、ダイヤルを絞るだけで出来てしまうなんて・・・。絞ったあとの静寂に自分の息づかいや近所の騒音が入らないなんて・・・。そ、そんな素晴らしいことがあろうか。ステレオって素晴らしい! もう、部屋で黙るだけなんて原始的なやり方には戻りたくない・・・。

ここで、言っておこう。私は当時オーブンが熱烈に欲しかったのだ。でも、家でオーブンが欲しかったのは私だけ。ところがステレオには・・・父のアンテナが反応していた。そして、それを私のアンテナが察知しちゃったわけで。

週末、レコード屋さんの奥のオーディオコーナーへ「見るだけだからさ〜♪」と、連れて行ったところ、偶然店員さんが知り合いだったらしく、ちょっと見栄を張った父が断り切れずに大きなステレオをその場で買ってしまったのだ。なんというラッキーだ!夢のようだった。ねだってもいないのにステレオが! 音楽生活の文明開化だ〜!♪美しい人生よぉ〜 限りない喜びよぉ〜 この胸のときめきを〜〜 あなたにぃぃぃぃぃ〜♪

ま、私にだって、努力せずにいい物をゲットする、そんな楽な思い出が、少しぐらいはあったのさ。ふっ。 

さてさてさて、

明日は東京出張。今回のフリマの反省と、次回への企画をじっくり考えるよいチャンスだと思います。頑張ってきます。

そして、週末はワンフェスへ! あれだめこれだめのルール一杯のワンフェスさんは、私達がこれから遭遇するであろう問題点を全て経験した大先輩。その経験がルールとなったわけですよね。規模は全然ちがうけれど、いろいろ勉強してきます。買い物はしません。たぶん。(笑) でも、私がワンフェス会場にいる姿、なんだか、田舎のネズミ、都会へ行く、の挿絵が頭に浮かんじゃウンんだな〜。。。

ではまた!