ゴム動力 プラ子の日記  〜 第178回 〜

平成19年 6月3日(日) プラ子、不肖・宮嶋さんに会いに行く   続・余韻 の巻

カエルメールが入る前に少し話しは戻る。

サイン会は、会場施錠時間になっても終わらず、そのまま一列でありさんのように地下の楽屋口に移動、そこでまた再開された。係の方が列の順番が乱れないように気を遣っていろいろ声を掛けてくれたけれど、ここまでずっと待っていて、いまさら数人抜かす神経を持ち合わせた人がいるだろうか。まったく心配なく地下に移動、また著書をめくりながら待った。

いいわけがましいが、感覚的にそんなに自分が長い時間待ってる気がしていなかったのは失敗だった。視線の先には憧れの宮嶋様・・・集団ヒステリーという言葉があるけれど、ああいったサイン会に並ぶ人たちは静かなる集団ヒステリー状態のまま立っているのではないだろうか。早速「ヒステリー」について辞書で調べてみると、その中に「健忘などの精神症状」も含まれていた。そうか、やっぱり・・・だから、時間も忘れ、大事な方々をお待たせしていることまで忘れていたのか。 (・・・などともっともらしく言ってみても、ちょっとむなしい・・・。ごめんなさい。 ) 

途中でお待たせしているM3から、「これから○○して□□する、だから、▽△してね。じゃぁね」と指令があったが、まったく意味がわからないまま、はいはい、と返事をしてしまった。その方々が去ったあと、結局自分がどうしたらいいのか、よくわからなかったのも、こういう精神状態だったのならうなずける。そしてカエルメールが入ったわけだ。

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それからまたしばらく経ち、自分の番になった。 ついについに・・・。

まずは緊張のあまり、書いて頂く名前を尋ねられ、とっさに「本名」を名乗ってしまったのもどうかと思うね。ここは堂々と「ゴム動力プラ子」でお願いします!といって、それをとっかかりにプラモデルつながりを強調するべきところだったのに。失敗だ〜〜〜!

そこまでの方はみんな、なにかしらお声をお掛けしていたようなので、いざ私も、と、しどろもどろではあるけれど、お礼みたいなことを言えたような気がする。なんと言ったかは忘れてしまったけど・・・。

しかし・・・ 宮嶋さんの返事はこうだった。 聞き違いかと思ったけど、確かにこうだった。



「どこかで、お会いしましたよね?」

・・・・・!

「ア、ア、アーマーモデリングさんの10周年パーティに私も出席していたんですっっっ!」

「あぁ、じゃぁトークでタミヤの話をしたとき、拍手してくれた真ん中の人たちは、あなた方でしたかぁ」

「は、はい!」

ヽ(゚▽゚*)乂(*゚▽゚)ノ ヽ(゚▽゚*)乂(*゚▽゚)ノ  ヽ(゚▽゚*)乂(*゚▽゚)ノ

すごい・・・・すごい。

あのパーティでは、当然ながら男性が圧倒的に多くて、しかも、来ている女性はみんな若くて可愛くて。私など、この歳、このシミ、この体型。このところ、イタイほどそういったことをわきまえて、知ってる人はともかく、自分からアピールしない限り、初対面の人に覚えていてもらえることなど無いと思っていた。なのに、なのに、私の気づかぬところで、私を見かけ、しかも、覚えていてくれた人が、ここに! しかも、それが宮嶋さんとはっ! 

とにかく感激だ〜〜! 

いや、まてまて。これは社交辞令かも。そうか・・・。そりゃそうだ。でも、社交辞令を言ってもらえるなんてこと自体、光栄じゃないですか!

宮嶋さんは話ながら丁寧にサインをし、私はそれを見つめながらポ〜〜  ・・・・ 今なら空が飛べるかも・・・・ フワフワフワ〜

すべての会話は一人分のサインの作業時間内の出来事。他の人のようにそれ以上の時間、ファンらしい会話をすることもできず・・・。そしてサインが終わればお決まりの握手なんだけど、握手してください、とは言えなかった。言えずとも手をだせば握手できたはずだけど、それもできなかった。ぐすん。

私の順番からあと10人ぐらいでサイン会も終了。M3からは「二次会で待ってるよ!」とメールが入っていた。 

は?二次会ってどこよ・・・。  

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私が名乗っていないにもかかわらず、プロデューサーTさんは私を「プラ子さん」と呼び、ついてくるようにおっしゃる。どうやらTさんは、M3のお知り合いで、これから合流するらしい。 ついて行けば、私もその二次会にいけるということか。そうかそうか、帰っちゃったのかと思っていたので、心底ホッとした。そして時計をみてびっくり。みるみるうちに頭の中が「お詫びモード」になっていった。ひどく長い時間をお待たせしていたわけで、とにかく早足でTさんについていく。

でも、なんで?なんで?・・・なんで?

なんと、宮嶋さんも歩いているのだ。

もしかして?まさかね。でも、もしかして?いやぁ、そんなはずは。・・・・

そして、息を切らせて到着したレストランは、本日のコンサートを企画した方々の打ち上げ会場であり、私たちの二次会の場所でもあったのだ。 なんだか少女漫画のできすぎた偶然みたいじゃん!?巻き髪の女子が瞳の星を煌めかせ、こういうのだ。「いや〜ん、うっそぉ〜〜♪しんじられなぁ〜い♪」

                8「ありえないっつ〜〜〜のっ!」

厳密に言うとこうだ。

M3がカフェで私を待っていてくださっている間に、プラモデル大好きニンゲンであり、この素晴らしく感動的なコンサートを企画したTプロデューサーがM3を見つけ打ち上げに誘ってくださった。そして、そのレストランが偶然にも私たちも行きたいと考えていたレストランだった。二つ返事でご一緒することが決まったものの、サイン会は終わらずプラ子はまだ並んでいる。よし、お仕置きだ!置いてきぼりにして脅かしてやろう。そして、後から来たとき、宮嶋さんも一緒だと知ったら、プラ子め、腰を抜かすだろう!うっしっし・・・・ということだったらしい。 

静かなる集団ヒステリー状態だった私は、いとも簡単にその作戦にひっかかり、喜んだり、焦ったり、混乱した挙げ句、腰が抜けたようにレストランの椅子に座り、そしてしばらくは、この言葉しか発することができなかった・・・。

「なんで?」   「なんで?」   「なんで?」    

残念ながら、もっとも遠方から駆けつけてくださったM3のお一人が後ろ髪引かれつつ私が到着する前に帰られ、本日はわがままを押し通し申し訳ございませんでしたと、取り急ぎお詫びのお電話をした。全然怒ってない風に感じられたけど、言葉通りにとっていいものかどうか不安だった。でも、怒ってたら怒ってるって私におっしゃるお方だからな。やっぱり大丈夫なのかな〜。(←あまい?)  

その後は、隣の席の初対面の女性とお話をしたけれど、「ってことは、プラモデル作るの上手なんですね!」といわれ、思わず返事に窮した。

「いえ、私は、プラモデルを作るのは下手ですが、プラモデルが好きな人が、好きなんです」

「へ〜〜〜〜!」

とても珍しそうに見られたので、それがとても珍しく思えて、久しぶりの音楽業界との異文化コミュニケーションを楽しんだ。紹興酒がおいしくてね、ぐびぐび飲んでしまってますます楽しい気分になっていった。

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二つ向こうのテーブルから、宮嶋さんが私たちのテーブルに来てくださったのは、お開き間近、ほぼ半分の方が帰られた後だった。私はお酒の力もあって、それほど緊張することはなかったように思うけれど、あまりよく覚えていないのは、やっぱり舞い上がっていた証拠か。

テーブルの話題は一気にプラモデルモード、もう一軒行こう!ということで、場所を変える前に、今度はパンフレットにも素敵な言葉でサインをいただけた。うれしぃ♪そして、夢のツーショットも! (一応モザイクしておきますが、お隣は宮嶋茂樹さんです。えへへへへへへへへ)


まるで中高年のお見合いパーティーみたいな写真、と言われてもなんのその♪ 
わたし、機嫌いいですから。



  

10人ぐらいで中国人のママさんが一人でやっているパブに行き、超久しぶりに水割りを飲んだ。そこでも、話題はプラモデル一色。宮嶋さんの隣に座る綺麗な女性は一度も口を開くこともなかったが、(きっと)意味不明な会話を呆れて聞いていたのかな。逆に私は少し余裕もできて、半年ぐらい前から考えているけどなかなか実現できていない「プラモの歌プロジェクト」について熱く語ってみたりした。考えてみれば、音楽関係者、しかも、敏腕プロデューサーTさんに向かってである。今頃になって冷や汗がでる。でも、すかさずアイディアを出して頂き、さすが・・・と思った。

宮嶋さんが氷無しのストレートでウイスキーを飲みほし、解散となった。

人気の無い真夜中の道を、宮嶋さんが防弾チョッキを片手に去っていった。 

あぁぁ・・・去っていく・・・生宮嶋さんが去っていく・・・  次はいつ会えるのだろう・・・  握手がまだだよ〜ん 



その後ろ姿をしばし見送ってから、私もタクシーに乗り、ホテルの部屋に戻ったのは夜中の2時半。一人には広すぎるジュニアスイートの、3つのベッドの真ん中に転がり、「トトロに会っちゃった!夢だけど夢じゃなかった!」というサツキとメイのセリフを思い出していた。

そのまま爆睡して朝になった。 スカッと目が覚め、一番最初にパンフレットを手に取り、サインがホントにあるか確かめた。 にんまり。 うん、夢じゃなかった。



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ふぅ。

世の奥様方がヨンサマとか、ユウちゃんとか騒いでいる間、私は韓流ドラマにも(チャングム以外)ユウちゃんにも興味が持てず、こんなんでも真っ当なオバサンなのかと、ちょっとした疎外感を感じたりしていたのだけれど、考えてみたら私には、追っかけるべき憧れのお方が、「ファンです!」と公言できるお方が、ちゃんと二人もいるのだ。 どうだ、まいったか〜。  

 8「いったい、誰にいってんの?」

後日。 

なんとなく気になって宮嶋さんのHPのプロフィールを覗いてみたら、お誕生日が5月30日とあった。ん?29日のコンサートの打ち上げの最中に日付変わっていたよなぁ? あ〜〜〜なんたること。しかも、あの中にそれを知っていてこっそり(?)プレゼントを渡した美しい女性がいたのだ。それが写真でアップされていた。なんとも妬けるではないの。ぐすん。 数々の「宮嶋さん支援サイト」まであることも今日になって知った。私は完全に出遅れているが、べつに競争じゃないんだ、と、梅酒を飲みながら気を静めるのであった。 

そして、プラモ大好きの敏腕プロデューサーさんは、今回は宣伝期間が殆ど無く残念ながらの集客数であったけれど、ご自身も観客と共に感動し大きな手応えを感じ、次回に向かってすでに情熱を持って進み出しているとのこと。ご自身のブログでも述べられている。この素直で熱いTさんの今後の企画にはぜひ注目していきたい。 

Tさんの音楽以外の企画も楽しみだけれど、それはまた、・・・・別のお話。

おしまい

  

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