ゴム動力 プラ子の日記  〜 第161回 〜

    

12月18日(月) サッカー  

インテルナシオナルさんが、ニーニョ(?)のチームを破った!おめでとう!

インテルファンのロナウジーニョのオバサンは喜んだのだろうか?複雑な気持ちだろうね。昨日の試合をボーッとみていて、私はふと思った。先日の彼らはきっと、スタッフじゃなくてサポーターなんじゃ?だって、平日にお揃いのチームカラーの服を着ていたし。 社長が勝手にチーム関係者と思ったのかもしれないな。

まぁ、とにかくスタッフもサポーターも、選手と共に、昨日、狂喜乱舞したんだろうな。一夜明け、シアワセな日本への旅は終わりを迎えたころかもね。また地球の裏側へ旅立つのか〜。考えただけでも、・・・足がむくむ。


◆◆◆

サポーターといえば、イギリスに居た頃、素敵な出会いがあった。

近所のデパートの食器売り場では、ブラジルでプラモデルが3倍の値段、というのと同じように、日本で買う洋食器の3分の1の値段で、ボーンチャイナが買える。キッチン用品大好きな私は、ベビーカーを押して良く通ったものだ。ヒマだったし。

そんなある日、売り場スタッフの年配の女性が声を掛けてきた。

(以下英語)

「日本人?」

「そうですよ〜」

「やっぱり!うちの息子は日本に住んでいるのよ。」

「そうですか〜」

子供を連れていると声を掛けやすいみたいだ。以後、ちょこちょこお話をするようになり、ある日、息子さんが日本から帰国したことをきっかけに自宅のお茶の時間に招いてくれた。白髪を美しくまとめた上品な彼女、そして、紳士的、を絵に描いたような旦那様。そして、物腰のやわらか〜な息子さん、そして、そのガールフレンド(日本人)。 

家の中には親の代から受け継がれた食器が置かれ、旅行に行った先々で集めた陶器の指ぬきが飾られていて、その一つ一つを丁寧に説明してくれた。手作りの伝統のお菓子も何種類も焼いてくれてあった。英語の理解度の低い私に、本当にゆっくり忍耐強く話をしてくれるのだ。 ちなみに私の回りの英国人ほとんどがこのように親切で親日的であった。

このお茶の時間でも感じたことだけれど、彼らはとても口調が穏やかだ。例えば物静かに「ジャガイモはどのように食べるのが一番美味しいか。茹でるか、蒸すか、焼くか、揚げるか。」それぞれが真面目に語る。静かに白熱するその会話は、静かに白熱するクリケットの試合を楽しむかのよう。皮をむくなんて一番美味しいところを捨てるようなものだ、というのは共通の意見のようで、それは私も同意するところだ。

そして、サッカーの話に。いや、サッカーと言っては怒られる。彼らにとっては「フットボール」。

出身地のチームを熱烈に応援しているとのことで、サポーターグッズをいろいろ見せてくれた。マフラーとか、帽子とか。

どこのチーム?と聞くと、「マンチェスターだ」と答えたので、「ふ〜ん、マンチェスターユナイテッドね!」と私が言ったとたん・・・

一瞬空気が静まりかえり、そして、皆が大声で叫んだ。

「No!! City!!!」 

そして体を揺らし拳を上げて、声を揃えて歌を歌い出したのだった。 

もう皆、別人で、ただただあっけにとられる私とガールフレンド・・・。

その日初めて、マンチェスターシティーというチームの名前を知った、と同時に、今まで、もの静かな英国の人々と、サッカーに熱狂する人々は、別の人で、別の街に住んでいるぐらいの認識だったのが一気に改まった瞬間でもあった。

ちなみに、私が住んでいた街はラグビー発祥の地で、有名なスタジアムがあるところだった。でも、危険だから行ってはイケナイというお達しが出ていた。勝敗によっては街の道路に花火が飛び交い、死者がでたこともあったし、興奮した人々がスタンドの上から下の客席に飛び込んでくるから、とてもじゃないけど小柄な日本人女性は行かないほうがよい、とのことだった。でも一夜明けるとまた静かで美しい街になる。

◆◆◆

なんでもそうだが、関われば関わるほど、面白い発見があるものだ。

人も、物も、みんなそうなんだろうな。

ハッピーなインテルのサポーターさんたちにも、ブラジルでの人生があり、その時間の一部がプラモに使われているのだな〜。ほんと、もっといろいろ話せればよかった。

などと、2日連続で書いてみたりして。ふっふっふっ

8「でもプラモの話じゃないじゃん・・・」 

 P「あ・・・、ほんとだ、ごめん」

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