ゴム動力 プラ子の日記  〜 第160回 〜

    

2月17日(日) 地球の反対側からタミヤファン来たる

つい2日前、12月15日の午後のこと。

事務所にふらりと大柄な男が二人、入ってきた。外人さんだった。

私はちょうど席を外していて、社長が対応。

とりあえず、社長は英語がわかるので、話を聞いてみると、ここがタミヤさんの本社だと思って来てみたら様子が変だ、ということらしい。そう、うちの事務所はタミヤさんの倉庫と同じ敷地の隅っこにある。

向かい側の大きな4階建ての倉庫には、巨大なタミヤ看板が乗っている。それを新幹線からみたタミヤファンは皆、まず、ここがタミヤさんの本社だと思うのだ。 それは外人さんでも同じだった。

私も話しに入って、とりあえず、お互いに英語で話が出来ることに安堵し、もう少し話をしてみると、彼らについてわかったことはこうだ。

・ブラジルから来た。

・仕事はサッカー

・日本で試合があった。

タミヤのファンで、タミヤに行きたい、というそれだけの目的で新幹線に乗って静岡まで来た。

・飛行機モデラーである。

・チームの名前は スポーツクラブインターナショナル

・清水エスパルス?知らないなぁ・・・

二人とも体が大きいが、強そうではない。なぜなら、顔が朗らかで、ほんわかしているのだ。

スポーツクラブねぇ・・・ ふ〜ん。国際親善でやってきたどこかのスポーツクラブの選手かな。(インターナショナルとは名ばかりの、というパターンではないだろうかと)

それにしても、ブラジルからのタミヤファンにはやはり感動する。地球の反対側から、日本に行ける!じゃぁ、ぜったいタミヤに行こう!ってずっとワクワクしながらここまできたのだから。プラモデル業界に関わるものとして、とても嬉しかった。これはタミヤさんに連れて行ってあげるべきだろう。

というわけで、タミヤさんにアテンドの手配をして、社長が車でタミヤさんまで送ってあげることに。車で5分ぐらいの距離だ。

せっかくだからその前に記念写真も撮った。気軽に応じてくれた。とにかくでかい!いつもの調子で携帯を構えたが、全然入らず、大きく後ろに下がった。 胸のバッチも撮らせてもらった。 ちょっとだけ知ってるブラジル語を話ししたりして。(わずか2語だ。英語が通じてほんとよかった・・・)

静岡東駅から、このタミヤの看板を目指して歩いてきたのかな〜。

様子をみて、「思ったより小さい会社だな」とか二人で話していたのかな〜。

人気のない倉庫の駐車場で途方に暮れ、「あ、あそこに人がいるから聞いてみよう」って、階段を上がってうちの事務所に思い切って訪ねてきたのかな〜。

あぁ、もっと沢山話をすればよかったなぁ。

帰ってきた社長によると、彼らは入るなり「パラダイスだ!」と大興奮。英語のわかるスタッフにゆっくり案内してもらえたらしい。

後で聞いたところによると、彼らは選手ではなくてスタッフとのこと。確かに、強そうじゃない、ってところはあたってたな。などと納得。笑顔の素敵なハンサムな二人だったが、スポーツ選手は顔にまで筋肉がついているような、締まった感じがあるが、彼らは「はんなり」していたから。

■■■

さて、私は、念のため、スポーツクラブインターナショナルを検索。

まず出てきたのは、オークションだ。そのチームのユニフォームが出てるってことはそこそこ有名? 

そして次にHPが出てきた。そしてわかったことは、立派なチームだったということだ。インターナショナルというのは、要するにインテルだった。どうして彼らは縮めてインテルと言わないのだ? かたくなに「スポーツクラブインターナショナル」と言っていたのが今となっては不思議だ。街のスポーツクラブと勘違いしたではないか!

http://www.internacional.com.br/home.php

引き続き検索をしてみると、彼らはクラブワールドカップのために日本に来て、そして、決勝に残ったらしい。その決勝までのオフに静岡に来てくれたのだね。 彼らとしても、こんなに有名なはずのチーム名を私に言っても「ふ〜ん」程度ですまされて「糠に釘」みたいな気分だったのかもしれない。これがサッカーファンだったら、どんな対応しただろうか。チームの選手についてあれこれ聞いたり、裏話聞いたりしたんだろうなぁ。いやぁ、申し訳ない・・・。

その決勝戦が今夜だ。

サッカーはワールドカップの日本戦ぐらいしか見ない私であるが、これも何かの縁、にわかインテルファンになってしまいそうだ。

■■■

さて、隣の事務所の奥さんにこの話をしたら、

「にーにょのチームの人かしら!」

「・・・」

「にーにょ、ほら、ニーニョ」

「・・・もしかしてロナウジーニョのことですか?」

「あ、そうそう、それそれ!」

皆で大笑いした。

そして、帰宅後、

「今日事務所にインテルハイッテルの人がきたよ。サッカーの」

といったら、2号がすかさず、

「それって、ロナウジーニョのおばさんが好きなチームだよ!」

変なことをしってるものだ。なにかのテレビでやったらしい。

というわけで、みんなも熱狂的タミヤファンがスタッフを務めるインテルを応援しましょう!?

それにしても、タミヤさんはすごいね。地球の裏側のブラジルではプラモの値段が3倍、それでもこうしてファンが居て、遠いところから大きなバッグ抱えて、少年のようにタミヤに行きたい!と瞳を輝かせてくれるのだから。

来年でニュルンベルグトイショーにタミヤさんが出展されてから40周年だとか。田宮俊作社長の書かれた「田宮模型の仕事」をもう一度読みたくなった、そんな出来事だった。

今日はなんとなく目が疲れているので大きな字にしておきます。

では、また。

HOME    プラ子の日記の表紙に戻る