ゴム動力 プラ子の日記  〜 第16回め〜  

 

平成16年

11月15日(月) 

公開講座のページ、自分でアクセスしてわかったんですが、濃い背景に合わせて文字を薄い色にしたら、携帯からでは読みにくいんですね。急いで修正しました。これから気をつけます。もともと携帯用には適していない作り方なんで、ちゃんとつくり直さないといけないかなぁ。

さて、先日の「8」の続報です。プラ子の日記を読んで下さった方からメールを頂きました。

「そのパーツは、1/6ホンダナナハン(オートバイのキットです)のチェーンのパーツではないでしょうか。ホンダナナハンのキットの初版には組み立て式のチェーンが入っていました。細かい金属製のチェーンの板(8の字というかひょうたん形の薄い金属パーツの膨らんだ部分に穴があいているもの)にプラパーツのピンとパイプを通してつなげて、本物と同じ形のチェーンを作るというものでした。当時小学生(だったと思いますが記憶があやふやです)だった私は半分ぐらいのパーツを接着剤でガチガチに動かなくしてしまい、悔しい想いをしたことを覚えています。その後、何度か再販されたときにはチェーンはプラ製の一体パーツのみになってしまい、未だにあのキットをちゃんと作りたいという想いは達成されていません。そのキットがフリマに出品されていれば、思わず買ってしまうかもしれません。」

キャタピラの連結に使うパーツかな〜って思っていたのですが、市村三時間半氏も「実物見てないからわからないけどなぁ」と自信なさげだったし、いろいろなキャタピラみても、正確な8の字のパーツは見えなかったんですよね。これがチェーンだとしたら、ピッタリ来ます。で、このメールを下さったのが、土居さんなんです。ほんと、ありがとうございます。

それでは本日のゲスト、少年の目をしたプラモ星人土居雅博さんの登場です。 (拍手♪)

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 いまから30年ほど昔ですが、そのころプラモデルは男の子の遊びの王道でした。鉄人28号、サンダーバード、駄菓子屋の店先に吊るされていた10円のゼロ戦……そんななかでいまのボクの人生を決めてしまったプラモデルが、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズでした。プラモデルとの出会いを書こうかと思ったのですが長くてとりとめがなくなりそうなので、いまでも強烈に印象に残っている、初めてのプラモデル塗装体験についてちょっとだけ書いてみたいと思います。


 小学三年生になってひと月ほどたったころ、父親の転勤で北海道の最東端(北方領土のすぐそばの町です)の田舎町に引っ越すことになりました。都会から来たということで(北海道ですからたかが知れていますが)なかなかなじめずにいたボクは家でプラモデルばかり作っていました。そんなボクに最初にできた友達がやはりプラモデル好きで、戦車を作っていたのです。引っ越してきて初めて遊びにいったのがその子の家でした。北洋漁業の網元の息子だった彼の部屋には戦車や軍用車両のプラモデルがたくさん並んでいたのですが、驚いたことにそれらはみんな色が塗ってあって、板きれに石膏を流して地面を作った台(いまで言うジオラマベースですね)に載っていたのです。そのリアルさは、それまで戦車のプラモデルといえばモーターと電池で走るものしか知らなかったボクにとっては衝撃的でした。


 帰りしなにその子から使いかけの豆ラッカーを持っていたおこづかいで譲ってもらい、意気揚々と家に帰ってきて塗装を始めたのです(何に塗ったのかは覚えていません)。豆ラッカーというのは、ソリッドモデルのころからの模型用塗料で、いわばペンキを小さな缶に入れたものです。分けてもらった豆ラッカーは使いかけで、シンナー分が揮発してしまいドロドロの状態でした。塗料といえば学校で図工の時間に使う水彩絵の具しか知らないボクは、筆を直接缶に突っ込んでペタペタと始めたのです。当然、プラモデルも筆もすぐに糸を引き始めてがびがびになってしまいます。そこでハタと「これは薄めれば塗りやすくなるのでは?」と気づいたんですね。でも家にはラッカーシンナーなんてありません。そもそもシンナーで塗料を薄めるなんてことも知りませんから、そこでなんとを缶に入れたんですね。それもごていねいに分けてもらった色全部に……筆も塗料も一瞬でパーです。机には途中まで色を塗ったのだかテクスチャーをつけたのだかわからないプラモデルが……。

 あとで、子供同士で物の売り買いをするなんてと、母親からえらく怒られるというオマケまでついた、プラモデル塗装初体験でした。その後、色塗りの楽しさを味わえるようになるには、パクトラタミヤの登場を待たなければなりません。ほかにも、綿と缶スプレーで塗る迷彩塗装とか毛が三本になるまで使った筆の話とか、おバカな話はいろいろありますが長くなるのでこの辺で。機会があればまたお話ししたいと思います。

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