ゴム動力 プラ子の日記  〜 第122回め 〜

    

11月30日(水)  「すれ違い、歩み寄り」

28日の日記は、あまりにも駆け足で、1つ1つの印象が薄いように感じられるとアドバイスを受けました。もっとトピックスを絞り丁寧に書くこと! 

その通りですね。勉強になります。

今日は些細な生活の一コマにしぼって、書いてみることにします。 まさに今日の出来事。でもプラモに関係無い話です、ごめんなさい。

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近所にある「あんと」は安くて美味しい人気の店。

今夜はあんとに行きたいなぁ。

そんなことを考えながら家に帰ると2号が何か企んでいる顔をしてやってきた。

「ねぇ、今日はボクが献立を考えてみたいんだ。お買い物も1人で行かせて!」

「う〜〜ん。おかあさんはあんとに行きたいんだけどな。」

「ねぇ、お願い!ボク、できるよ!ちゃんと栄養のこと習ったんだもん」

「何を買ってきてくれるわけ?」

「それはボクが、おばあちゃんみたいに、家にある物を考えて、お店のものを見ながらその場で決めるんだ」

「そ、その場で?」

「そうだよ。その場で、栄養のバランスを考えて買うんだ」

若干不安はあったけれど、せっかく張り切っているので、買い物を頼むことにした。

彼の差し出した手帳に冷蔵庫の中の野菜を書き出して「これは買わないでね!」と書き添えた。

きっと、カボチャやピーマン、人参、それか海草なんかを買ってくるんだろうな。タンパク質は鳥肉かもね。 明日のおやつにジューCなんかも買ってくるかもしれないが、そのぐらいはまぁいいだろう。

外はもう暗い。「気をつけて行っておいで!」

「いってきま〜す!」張り切っている2号を見送り、お米を磨いだ。


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ノートパソコンでメールチェックをしていると、2号のご帰還だ。

「たっだいま〜〜!」

得意満面の彼の手に下がった買い物袋は、妙にふくれている。なんか・・・イヤな予感。

「ラーメンとね!餃子とね!シュウマイいっぱい買えたよ!」

どれも生の加工食品、賞味期限が迫った激安品だ。おつりを貰ってね、と渡したお金、ほとんどをそのシュウマイにつぎ込んでしまっていた。

「な〜〜んでこんなにたくさん買ってくるのっ!?」

私は、口調を荒げて買い物袋の中のものを1つ1つテーブルに並べた。

最初はケラケラ笑っていた2号がだんだん無口に。

それでも私は言葉を続けた。私は賞味期限が迫った激安の生の加工食品は買わないようにしているから余計に腹がたったのだ。

「栄養のこと考えてるって、こういうことなのっ?」

2号がうつむく。

その後も私はクドクド文句を言った。その後キッチンに入り、冷蔵庫のチルド室の中に彼の買ってきたものをしまおうとしたそのとき、ハッとよぎるものがあった。

急いで戻ると、2号は食卓に突っ伏していた。


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「ねぇ、もしかして、おかあさんがあんとに行きたいって言ったの思い出して、ラーメンと餃子を買ったの?」

あんとはラーメン屋さんで、私はそこのラーメンと餃子が大好きなのだ。

「・・・うん」

やっと返事をした直後、彼の目から涙がポロポロ。

そうか、彼は、私が「ちょうど食べたかったのよ〜」と大喜びすると思って、生ラーメンと、チルド餃子を買い、お手柄だと思って安くなっているチルドシュウマイを、足し算しながら買える範囲でめいっぱい買ったんだ。そして、意気揚々と戻ってみれば、褒められるどころか、開口一番叱られ・・・




そう気づいたら、なんだか胸が痛んだ。彼と私の不協和音が聞こえてくるようで、耳をふさぎたい気分になった。

まず、「わ〜〜!ありがとう!」ってどうして言えなかったのかと悔やまれた。今更遅いが。。。

でも、それって、甘やかしているのでは? そんな思いと、喜んであげたかったという気持ちが私の中でごちゃまぜになる。

「焼きネギと焼き椎茸の汁物」を作りながら、考えた。

・・・・・一番大事なのは、彼のやる気がぺっちゃんこにならないように、次回に繋げることじゃないかな。今回のことは、買い物としては失敗だったこともちゃんと教えるべきだろう。でも、気持ちは嬉しかった。これも大事なことだ。素直に伝えなくては・・・・・




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私はいささか理屈っぽいかと思いながらも、感情だけではイカンのだ!と反省し、改めて2号の近くに座った。そして静かな口調で・・・

「おかあさんが喜ぶと思って買ってくれたんだよね。ちゃんとわかってるよ」

「うん」

「でもさ、もうわかったかもしれないけど、やっぱり今日のお買い物は失敗もあったよね」

「うん」


 ====中略====


「今日は、寒くて暗いのに、お買い物に行ってくれてありがとうね」

「うん」

顔を上げた2号は照れたようにニヤニヤしている。この顔がでればもう大丈夫。





直後、椅子から立ち上がった彼は、

レーザーラモンHGの真似をしてた・・・。泣いたカラスが・・・である。

8「買い物ほぉ〜〜〜♪」




人は皆、こんな風に、良かれと思ったことですれ違い、そして歩み寄り、関係を修復して、同じ目的に向かってまたそれぞれの役目を全うする、それを繰り返しているのだなぁ。例えば上司と部下だってそうだ。

                              8「ミミズ〜〜って、オケラだ〜〜〜って〜〜〜、アメンボだ〜〜〜って〜〜〜♪」

すれ違った状態では、相手を心からの笑顔にするのは、なかなか難しい。心をかけ、言葉を掛けてやっとなんだ。いつか私に部下が出来たときのために、今のうちによく練習しておこう。 まずは、分かり易い性格の2号で。 はははは・・・・      




       8「おぉ!プラ子の野望!」 

       8「まず、すれ違わない練習が必要だと思われ・・」



        

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